曹洞宗のお墓について

日本の在来仏教には、いろいろな宗派があり、そして宗派によって様々な考え方の相違点や特徴があることは皆様ご存知のことと思います。

今回は曹洞宗における考え方や、その宗旨とお墓観についてのお話をします。

曹洞宗とは禅宗と呼ばれる種類の宗派のうちのひとつです。
元々は中国で提唱され、鎌倉時代に道元によって日本に伝わり、現在に至っています。
曹洞宗は坐禅を修行の基本として掲げますが、生活のそのすべてが修行であると教えます。他の宗派とは異なり悟りを自ら求めない修業によることで悟りを得ることができる、と考えます。これは悟りを目的として修業をすること自体が打算的であるから、その悟りも打算的なものになってしまうだろうという考えによるものなのです。

曹洞宗の寺院数はおよそ15,000ヶ寺で、信者約690万人を擁していると、とされています。

曹洞宗のお墓の最大の特徴は墓石の竿石部分に見られます。
曹洞宗のお墓の竿石を見てみると、「○○家之墓」と彫られている事が多いのですが、中には「南無釈迦牟尼仏」だったり、「南無釈迦如来」と彫られることもあります。
そして竿石正面の頂部に、本来は円相と呼ばれる出紋を掘り出し、また板塔婆には頂部に筆によって丸い輪を記してあります。これらは、禅宗の教義に特有の「空」を象徴しているものです。
また五輪塔にも違いがあり、上から順番に「空・風・火・水・地」と文字が彫られます。曹洞宗では墓誌には霊位と入れ、亡くなった方の戒名には院号の他にも禅定門(禅定尼)、居士(大姉)と使いわけることを伝統的にしてきています。

この様に一口に仏教といっても、各宗派によってその成り立ちや考え方には違いがありますが、その反映として、お墓の形状や様式などに違いがあったりするのですね。
お墓を求める際には、その宗派の違いについても確認して、常識的な認識の下に墓所選びをすることが大切です。
そうした上でのお墓作りを、しっかりとしていきたいものですね。

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