3.やり残している供養はありませんか?

供養って何をすること?

突然ですが、供養は何をすることでしょうか?
法事を施行する事、塔婆を立てる、冥福を祈り合掌する……
そのどれもが供養をすることですね。
ただ、大切なこととして供養をされる側の一方では、
供養をする側においても、故人の成仏のために心を澄ませ冥福を祈るという行為を通じて、
自らの心も癒されて浄化するのか、特有のスッキリと清々しい気持ちになれるということでしょう。
これは供養をしてもらっている仏様の側からのありがたい“お返し”のようなものなのかも知れませんね。

過去にはこんなケースも……

せっかく受胎して命を受けていながら、
流産となったり、事情があってこの世に出ることもかなわなかった子供、
また生後に早世したりしてしまったお子様の事は、
母親にとっていつまでも気がかりな存在として引きずり続けることも良く見受けられるようです。

特に親兄弟や友人知人にも、また自分の子供にも、その存在については話をしていないケースもあり、
後悔や慚愧の気持ちが整理がつかないままとなっていて落ち着かない、との訴えも、
私たちのような仕事柄ではままあることなのです。
寺社の水子地蔵や水子供養塔などに祀ってもらってはいても、
何かの拍子に思い出されて指折りその齢を数えその成仏をご心配になるというお話しも何度か耳にしました。

お墓を建てようかとお考えの方から建墓に際してのご相談で、
「実は、…」「先祖供養ももちろんですが、自分が建てたお墓で水子供養ができるものですか?」
というもので、
「戒名や名前無しで、水子を祀ることはできないものか?」
「昔、水子や死産した子供の供養を、今からでもできるものなのか?」
といったお話が良くあります。

ご身内にも子供にも相談もできず、なるべく避けて通りたいとは思いつつ、
でも一つの儚かった命に対する呵責を内心では引きずっておられるのです。
何かの折にそのことがふと思い浮かぶと、気持ちが晴れるということが無くなり憂鬱になってしまって、
日々の生活にも影響が出ることもあるとのことなのです。
ご家族には内緒でと、思い余ってのご相談が時々あるために、
私たちは多少の経験から、そんなお悩みを抱えてきたお客様には一日も早くその問題を解決されて、
日々明るくお元気に生活して頂けますよう、
その状況やご家庭に見合った様々な具体的なご提案をさせて頂いたり、
ご住職様との仲立ちを務めさせて頂いたりしています。

精神的な基盤を作るために

水子さんに限らず、そのつもりは無くともついつい日々の忙しさに紛れて、
仏様を粗略にしてしまうことはありがちなことです。
と言っても、仏様の供養に関することは、無意識のうちではあっても引きずっていては、
心が晴れるということが無いばかりでなく、ストレスなど精神的な不安定の元となりかねません。
ご自分達が出来る範囲で、心を込めてお墓を建立し、
そして回向をして頂くことによって、仮にそれまでの不義理があっても、
今度はしっかり追善の供養ができ区切りをつけられた安堵感と満足感で心から癒される、とのことです。
それが、日々の実生活にどれほど好影響をもたらすものかを一度お考えになるようにお勧めさせて頂いております。
自分にとって、家族にとって、子孫たちにとって、お墓を建墓することの大切さを思ってみて下さい。
建墓することは、その悩みの深さや大きさに比例する喜びと落ち着きとをもたらす精神的な基盤となるのです。
モヤモヤから目を反らさず一歩前へ踏み出して行動に移すご検討を始めてはいかがでしょうか。

前のお話へ
次のお話へ