継承者の事で悩んでいたケース

15年前に自宅近くの寺院に墓地を購入し、外柵まで完成していました。
しかし私は生前に石塔を建てておくことに対して抵抗がありました。
それに加えて継承者である長男が別居な上に家を建てているため、
先々実家に戻る予定もなくお墓を継承してくれるかどうかが分からないという不安がありました。

私の本心としては、縁あって永住したこの土地で永眠したと思っています。
いつまでもこのままでは埒が明かないと思い、家内に本心を打ち明けました。
すると家内からは、

「長男が実家に戻る可能性は低いが、自分の納得のいく石塔を建てたい」
「もしもお墓を継承されなくても、お寺がしっかり永代供養してくれる」
「どちらかが先に逝っても、子供や孫が実家に立ち寄り墓参りしてくれれば、
それだけでうれしいと思う」

日頃長男とは話をしない私に代わって、
家内が長男にそれとなく私の気持ちを伝えてくれたのです。
すると長男から意外な返答がありました。
それは「ありがとう」との言葉でした。
長男もちゃんと私の気持ちを理解してくれていたのです。
更に墓石の彫刻する建立者に自分の名前も刻んで欲しいとも言われ、
とてもうれしいと感じたそうです。

今まで踏ん切りがつかず、先送りにしてきたお墓のことが解決して、
今はスッキリした気持ちで趣味を楽しんでいます。