皆様こんにちは。
石の武蔵家システム担当のやまもです。
1990年代、まだ携帯電話が高価で今のように大きく普及する前、
ポケットベルと呼ばれる通信機器が人気を博していました。
ポケットベルは電波による小型受信機に合図を送るシステムの事で、
ポケベルの名称で親しまれてきた通信機器です。
ポケットベルの歴史は1968年に始まりました。
最初期のものは電子音による呼び出し音が鳴るだけのシンプルなもので、
呼び出し音が鳴ったら最寄りの公衆電話から会社に確認を取るという使用方法でした。
こちらは主に営業職のビジネスマンを中心に利用されていました。
また、1987年には自動車電話のサービスも開始されましたが、
こちらは使用料金が非常に高価だったため、
当時の個人向け移動体通信としてポケットベルが親しまれてきました。
1987年になると呼び出し音だけでなく数字を送信する事も可能になりました。
1996年になると文字送信も可能となり、
当時メインユーザーの一角になりつつあった女子高生達は、
こぞってポケットベルを利用してメッセージを送る言葉遊びを行っていました。
また、着信メロディにも対応する等その機能はどんどん充実化していき、
当時の女子高生達にとって、ポケベルは無くてはならないものとなっていました。
しかし1997年以降になると携帯業者とPHS業者のシェア争いが本格化し、
低価格化により携帯電話の普及が本格的に始まるようになると、
やがてポケットベルは急速に衰退していきます。
携帯電話・PHSの機能も強化されていくようになると、
その利便性からポケットベルよりも携帯電話・PHSに移行する人が増え、
1996年時点で1000万人の加入者数も1998年には半分以下となる452万人となっていました。
そして2000年以降の急速な携帯電話のネットサービスが本格化すると、
ポケットベルはその姿を消していくようになります。
現在では電波をなるべく避けなければならない医療機関や、
非常時に携帯電話が輻輳して使えなくなる事を見越した防災関係者等、
一部の職業で使用されることが殆どです。
しかし近年では市町村における防災行政無線システムに利用され、
約30自治体が採用する等、ポケットベルは現在でも現役であり続けています。